DECA マーケティングDX支援サービス資料ダウンロードお問い合わせ

ノウハウHow-to

コンバージョン API の設定方法:4つのやり方の選び方と、ピクセルとの重複を防ぐ event_id のそろえ方

計測と分析
コンバージョン API の設定方法:4つのやり方の選び方と、ピクセルとの重複を防ぐ event_id のそろえ方

Meta ピクセルは入っているのに、イベントマネージャでコンバージョン API の設定を勧められて止まっていませんか。

設定のやり方は4つあり、サイトの作りと手を動かせる人で選びます。どのやり方でも、event_id(イベントごとに付ける識別の番号)について、ピクセルと同じイベントを、同じ event_id とイベント名で送ったときだけ、重複として除かれます。

この記事では、4つのやり方の選び方、重複を防ぐ条件、照合の精度を上げる顧客情報の送り方、テストの手順、開発者への頼み方の文例を順に紹介します。

この記事の要点

  • 設定のやり方は4つ。開発者がいなくても使えるゲートウェイは、自社の AWS か GCP のアカウントに立てる必要があります

  • ピクセルとの重複は、event_id とイベント名の両方が一致し、48時間以内に届いたときに除かれます

  • test_event_code を付けて送ったテストのイベントも、捨てられずに計測に使われます

コンバージョン API は、ピクセルと同じイベントをサーバーからも送る仕組み

コンバージョン API(Conversions API。CAPI とも呼ばれます)は、広告主のサーバーや CRM から、ウェブサイトやオフラインのイベントを Meta に直接送る仕組みです。ブラウザから送るピクセルを補う役目です。

Meta のヘルプでは、コンバージョン API とピクセルを併用し、同じイベントを両方から送る冗長設定を推奨しています。ピクセルが取りこぼしたイベントを、コンバージョン API で補えるためです。

どれだけ補えているかの目安として、Meta はピクセルのイベントに対するコンバージョン API のイベントのカバー率を75%にすることを目指すよう案内しています。

設定のやり方は4つ。サイトの作りと、手を動かせる人で選ぶ

やり方ごとに、用意するものと、手を動かす人が違います。先に表で全体を見てから、判断の分かれ目を説明します。

<コンバージョン API の4つのやり方>

コンバージョン API の設定はパートナー連携・ゲートウェイ・タグマネージャーのサーバー側・直接実装の4つで、用意するものと作業が違い、ゲートウェイだけが event_id を自動で付けることを示す比較表
図:コンバージョン API の4つのやり方

やり方

どんな方法か

前提になるもの

パートナー連携

使っている EC・CMS の基盤の設定画面でオンにする

基盤が Meta と連携していること

コンバージョン API ゲートウェイ

自社のクラウドに Meta の仕組みを立て、ピクセルのイベントを流す

AWS か GCP のアカウントと DNS の設定

タグマネージャーのサーバー側

サーバー側のコンテナからイベントを送る

サーバー側のコンテナを動かす環境

直接実装

自社のサーバーから API を呼ぶ

アクセストークンと開発

基盤の連携があれば、その設定画面でオンにできる

EC サイトの基盤や CMS(サイトの管理の仕組み)が Meta と連携していれば、その設定画面でオンにして始められます。使っている基盤のヘルプに「コンバージョン API」の項目があるかを、まず確かめます。

どこまで送るか、ID をどうそろえるかは基盤ごとに違います。基盤の連携とは別に、自前で入れたピクセルのコードが残っていないかも確かめます。

開発者がいなければ、ゲートウェイを候補にする

ゲートウェイは「コード不要」と紹介されることが多いものの、前提があります。

Meta の開発者向けドキュメントによると、ゲートウェイは、広告主が持つクラウドのアカウント(AWS か GCP)にサーバーを立てて使い、DNS に設定したエンドポイントが要ります。費用はクラウドかパートナーの料金です。

DNS はドメインの住所録にあたる設定で、ゲートウェイの住所を自社のドメインの下に登録します。クラウドのアカウントと DNS を触れるかは、情報システムの担当に先に確かめます。

ゲートウェイの利点は ID の扱いです。ゲートウェイは重複排除に使う event_id を自動で作り、ピクセルとコンバージョン API の両方に付けます。次の節の設定を自分でしなくて済みます。

送る項目を細かく決めたいときは、直接実装にする

自社のサーバーから API を直接呼ぶ方法は、送るイベントや項目を自社で決めて実装します。CRM(顧客の管理の仕組み)のイベントも、この方法なら自社の判断で送れます。

アクセストークンは、イベントマネージャのピクセルの設定タブにある「手動で設定」から作ります。このリンクは、ビジネスで開発者の権限を持つ人にしか表示されません。

ピクセルとの重複は、event_id とイベント名を48時間以内にそろえて防ぐ

同じ購入をピクセルとコンバージョン API の両方から送ると、何もしなければ2件に数えられます。CPA が実際より良く見え、予算の判断を誤る原因になります。

<ピクセルとコンバージョン API の重複排除の条件>

ピクセルの eventID と API の event_id、ピクセルの event と API の event_name の両方が一致し、最初のイベントから48時間以内に届いたものが重複として除かれ、内容に差が無ければ先に届いたほうが残る傾向があることを示す図
図:ピクセルとコンバージョン API の重複排除の条件

Meta の開発者向けドキュメントによると、重複として除かれるのは、ピクセルの eventID と API の event_id、ピクセルの event と API の event_name の両方が一致したときです。

対象は最初のイベントから48時間以内に届いたもので、内容に差が無ければ先に届いたほうが残る傾向があります。

具体例

購入完了のイベントをそろえる

注文番号 12345 の購入で、ピクセルとコンバージョン API の両方から Purchase を送るとします。

  • 両方の event_id を order_12345 のように注文番号から作ると、同じ値になります

  • イベント名も Purchase で一致し、48時間以内に届けば、1件に数えられます

  • ピクセルとサーバーで別々に乱数の ID を作ると一致せず、2件のままです

※ 説明のための例です(数字や設定は例示)

ID は注文番号や問い合わせの受付番号のように、両方から同じ値を作れるものが扱いやすくなります。サーバーから送り直すときも、同じ ID を使います。

照合の精度は、送る顧客情報とハッシュ化の仕方で決まる

コンバージョン API のイベントは、一緒に送る顧客情報で Meta のアカウントと照合されます。その精度を示すのがイベントマッチ品質です。

Meta の開発者向けドキュメントによると、イベントマッチ品質は、サーバーのイベントの顧客情報が Meta のアカウントとの照合にどれだけ役立ちそうかを10点満点で示す指標です。

イベントマネージャでイベントごとに表示され、いまはウェブのイベントだけで出ます。

送る顧客情報には、ハッシュ化する値と、してはいけない値があります。

値

扱い

メール(em)・電話番号(ph)・姓名(fn・ln)・郵便番号など

SHA256(元に戻せない値に変える方式)でハッシュ化して送る

IP アドレス(client_ip_address)・ユーザーエージェント(client_user_agent)

ハッシュ化しない

fbc・fbp(Cookie の値)

ハッシュ化しない

external_id(会員番号など)

ハッシュ化を推奨

表の出典は Meta の開発者向けドキュメントです。メールや電話番号はハッシュ化して送り、IP アドレス・ユーザーエージェント・fbc・fbp はハッシュ化しません。

ウェブのイベントでは client_user_agent が必須で、external_id と event_id はすべてのイベントに含めることが推奨されています。

ハッシュ化の前に、メールと電話番号の書き方をそろえる

同じ人でも、書き方が違えばハッシュの値が変わり、照合できません。メールは前後の空白を除いて小文字にし、電話番号は記号と先頭の0を除いて国番号を付けてから、ハッシュ化します。

<ハッシュ化の前に電話番号の書き方をそろえる>

フォームに入力された 090-1234-5678 という日本の携帯電話の番号を、記号と先頭の0を除き国番号 81 を付けた 819012345678 にしてからハッシュ化することを示す図(説明のための例)
図:ハッシュ化の前に電話番号の書き方をそろえる

具体例

日本の携帯電話の番号をそろえる

フォームに 090-1234-5678 と入力された番号を送るとします。

  • 記号を除くと 09012345678 になります

  • 先頭の0を除き、日本の国番号 81 を付けると 819012345678 になります

  • この値をハッシュ化して送ります。全員が日本の番号でも、国番号は付けます

※ 説明のための例です(数字や設定は例示)

送ったら、イベントのテストで確かめてから test_event_code を外す

設定が終わったら、本番の前にテストのイベントを送って確かめます。テストのイベントの扱いは、Meta の開発者向けドキュメントに書かれています。

  1. 1

    送るイベントと、event_id の作り方を決める

    Purchase・Lead など、ピクセルで送っているイベントと同じ名前にします。ID は注文番号などから作ります。

  2. 2

    やり方を選び、ピクセルと同じピクセル ID で設定する

    前の節の表で選んだやり方で設定します。

  3. 3

    イベントのテストのコードを付けて送る

    イベントマネージャの「イベントのテスト」で出るコードを test_event_code として付けて送り、届いたかを見ます。

  4. 4

    本番の送信からコードを外し、重複とイベントマッチ品質を見る

    本番のイベントがたまってから、イベントマネージャで重複が除かれているか、イベントマッチ品質が出ているかを確かめます。

まとめて送る実装では、失敗の条件も知っておきます。

同じドキュメントによると、1回で送れるのは1,000件までで、1件でも不正なイベントがあると全件が弾かれます。event_time が7日より古いイベントが入ると、リクエスト全体がエラーになります。

開発者に頼むときは、送るイベントと ID のそろえ方を文例で渡す

「コンバージョン API を入れてください」だけで頼むと、ID のそろえ方やハッシュ化の扱いが実装する人の判断になります。決めておくべきことを、文例で渡します。

文例:メール

宛先〔開発会社のご担当者様〕
件名Meta のコンバージョン API の実装のお願い
〔ご担当者名〕様

いつもお世話になっております。〔会社名〕の〔氏名〕です。

Meta のコンバージョン API の実装をお願いしたく、ご連絡しました。次の内容でお見積もりをいただけますでしょうか。

・送るイベント:〔Purchase・Lead など〕(ピクセルと同じ名前)
・ピクセル ID:〔ピクセル ID〕
・event_id:〔注文番号など〕から作り、ピクセルとサーバーで同じ値にする
・顧客情報:メール・電話番号は書き方をそろえてから、Meta の指定どおりハッシュ化。IP アドレス・ユーザーエージェント・fbp・fbc はハッシュ化しない
・確認:イベントのテストのコードで確かめた後、本番ではコードを外す

ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
よろしくお願いいたします。
〔 〕は自社の内容に置き換えてください

チェックリスト

実装が戻ってきたら確かめること

コンバージョン API は、ピクセルと同じイベントを同じ ID で送れば重複しない

  • やり方はサイトの作りと手を動かせる人で選び、基盤の連携があるかを最初に確かめる

  • ピクセルと API で event_id とイベント名をそろえ、48時間以内に届くようにする

  • 顧客情報は決まった値だけハッシュ化し、テストのコードは確かめたら外す

<この記事のまとめ(コンバージョン API の設定)>

コンバージョン API はサイトの作りと手を動かせる人で4つのやり方から選び、ピクセルと同じイベントを event_id と event_name をそろえて送り、顧客情報は決まった値だけハッシュ化し、テストの後に test_event_code を外すことをまとめたスライド
図:この記事のまとめ(コンバージョン API の設定)

よくある質問

Qコンバージョン API を入れたら、ピクセルは外してよいですか?

A

外しません。Meta は、両方から同じイベントを送る冗長設定を推奨しています。

Q重複が除かれたとき、どちらのイベントが残りますか?

A

内容に大きな差が無ければ、先に届いたイベントが残る傾向があります。

Qコンバージョン API ゲートウェイは無料ですか?

A

ゲートウェイそのものではなく、立てるクラウドかパートナーの料金がかかります。

Qイベントマッチ品質はどこで見られますか?

A

イベントマネージャで、ウェブのイベントごとに10点満点で表示されます。

小池 瑞穂(株式会社ギブリー ソリューション責任者)

監修

小池 瑞穂Mizuho Koike株式会社ギブリー ソリューション責任者

  • プロダクトマネージャー
  • マーケター
  • 広告自動運用

金融・計算機工学をベースにした広告自動運用サービスの、企画から開発・導入までを一貫して担当。大手広告代理店を中心に、1人あたりの担当案件数を大きく増やすDXを続けて成功させ、株式会社ギブリーでソリューション責任者を務めています。