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【イベントレポート】ギブリー主催・ニトリ登壇
「Givery GAI for コンタクトセンター|ニトリの次世代コンタクトセンター構想~生成AI活用の鍵と配慮すべきポイント~」

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2024/08/22

【イベントレポート】ギブリー主催・ニトリ登壇「Givery GAI for コンタクトセンター|ニトリの次世代コンタクトセンター構想~生成AI活用の鍵と配慮すべきポイント~」

生成AIの法人活用推進と多角的なDX支援サービスを展開する株式会社ギブリー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:井手高志、以下当社)は、2024年7月に日本マイクロソフト株式会社(以下日本マイクロソフト)品川本社にて招待制AIイベント「Givery GAI Meetup for コンタクトセンター」を開催しました。

メインとなるゲスト登壇のトークセッションには、株式会社ニトリ様(以下ニトリ)から清水聡様と竹内匠様をお迎えし、AIコンタクトセンターの構想、コンタクトセンターにおける生成AI活用や実装に向けて配慮すべきポイントについてお話しいただきました。会場には、コンタクトセンターに携わる方を中心に48社59名が来場し、活発な質疑応答とディスカッションが行われました。以下、概要をレポートいたします。

「Givery GAI Meetup for コンタクトセンター」とは

当社は生成AI活用プラットフォーム「法人GAI」の提供やコンサルティングを通じて、これまで450以上の企業・行政機関で生成AIの導入・業務活用を支援しています。また、マーケティングDX領域では、AIとデータをコアにしたマーケティングDXソリューションを提供し、昨年よりコンタクトセンター向けに生成AIを活用したカスタマーサービスプラットフォーム「AI接客」を展開しています。かねてより連携を持つ日本マイクロソフト協力のもと、昨年9月より同社品川本社で生成AIの最新情報とビジネス活用事例の共有を目的に「Givery GAI Meetup for Leaders」と題したイベントを定期開催してまいりました。

今回は、全従業員対象の汎用的な生成AI環境構築が進み、次のステップでの生成AI活用として「業種・職種特化の生成AI活用」が注目を集める中で、「コンタクトセンターにおける生成AI活用」をテーマに、最新情報をお届けしました。

セッション内容

①ギブリー「コンタクトセンター向け生成AIソリューションのご紹介」

当社取締役の奥田栄司より、株式会社ギブリーが提供する生成AIソリューションについてご紹介いたしました。以下に概要をご紹介いたします。

ギブリーは2023年に生成AIの法人向けサービスを国内最速で提供を開始しています。現在は、生成AI利活用への深い知見を活かし、日本マイクロソフトのCopilot for Microsoft 365の導入支援・トレーニングパートナーやAzure OpenAI Serviceリファレンスアーキテクチャ賛同パートナーとしてCopilotなどの活用を推進するほか、PwCコンサルティングとの連携により生成AI活用の戦略策定から実行まで包括的に支援しています。
直近の企業内の生成AI活用伴走支援の例としては、日清食品ホールディングス様、日産自動車様、清水建設様、あおぞら銀行様などが含まれ、これまでに450社以上の企業への支援実績を持ちます。

その中でも今回の中心テーマであるコンタクトセンター向けの生成AIソリューション群が、AI×マーケティングDX支援サービス「DECA」です。CRMとナレッジベースといった独自のデータベースを保有しており、生成AI時代にデータを利活用しやすいような仕組みが特徴です。
このデータを中心に、チャットボットやFAQシステム、オペレーターの回答支援といった主にコンタクトセンター向けのソリューションに生成AIを活用した「DECA AI接客」や、メールやLINE・Instagramなどの配信に特化した「DECA SNS/MA」といったアウトプットチャネルを保有しています。
また、「マーケGAI」は、商品開発からプロモーション施策までのマーケティングのあらゆる業務の効率化を実現します。直近ではバイドゥとの技術提携により、画像生成をはじめとしたマルチモーダル対応を可能にしています。

②日本マイクロソフト「生成AIの現在と今後のトレンド」

続いて、日本マイクロソフト・矢ヶ部大海様より、「Copilot for Microsoft 365」の機能について解説頂きました。以下に内容の概要をご紹介いたします。

「Copilot for Microsoft 365」は社内のコミュニケーションをサポートする生成AIツールです。Word、Excel、PowerPoint、OutlookなどのMicrosoft製品で機能します。自動文書生成やメールの要約などの機能を持ち、業務シーンや職務に合わせて利用することで、業務効率化を大幅に推進することができます。当日のテーマであるコンタクトセンターにおける業務効率化において、「Business Copilot」の活用例をご案内させていただきます。

まずは、CRMシステムを活用した顧客対応のAIアシストです。オペレーターは、顧客対応中に過去の対応履歴などをすぐに引き出して対応することで、応対業務を効率化できます。例えばメールの返信文作成において、過去の対応履歴と今回の問い合わせ内容を基にして返信内容を生成することができます。対応が終了すると、今回の対応履歴を要約し、自動でCRMに保存することができます。

連携できるCRMは、セールスフォースやTeamsを想定しており、既にお使いのCRM上でCopilotの生成AI機能を活用することが可能です。

次に、クレームに対するお客様への報告書を自動作成する機能です。お客様からクレームが発生した際、お詫びと、報告書を作って欲しいという指示を出すことで、自動でドラフトを生成します。適切な回答をするために、関連するFAQのリンクやWebサイトを参照するように指示を出しています。

実際にこのサービスはMicrosoft本社内でも導入されていますが、初期対応の時間短縮(回答率の向上)、エスカレーションの減少など業務効率が改善されています。

今後生成AIは、汎用的な業務だけでなく職種に応じた活用を進めていくことで、さらに業務の生産性を高めていくことができると考えています。

③ニトリ登壇「ニトリの次世代コンタクトセンター構想~生成AI活用の鍵と配慮すべきポイント~」トークセッション

トークセッションにはニトリから清水聡様と竹内匠様をお迎えし、次世代コンタクトセンターの構想やコンタクトセンターにおける生成AI活用における配慮すべきポイントについてお話しいただきました。本トークセッションの詳細はイベントレポートとして公開しております。ご興味がございましたら、ぜひ以下URLよりダウンロードいただけますと幸いです。

▶ダウンロードはこちら

以下に内容のハイライトをご紹介いたします。

ニトリのコンタクトセンターは自社運営で、年間約254万件の問い合わせに対応しています。電話、メール、チャットの3チャネルを中心に、特にチャットの無人対応比率向上を目指しています。直近の取り組みとして、 音声IVR※1やチャットボットの改良が行われ、電話問い合わせ比率を減らしチャット利用を増やす施策が実施され一定の成果がみられました。その一方で、改善効果が限定的であったため、コンタクトセンター全体の生産性向上を目的に生成AIの導入を検討しました。

※1 音声IVR:電話に対して、要件に応じた番号を顧客に入力してもらい、予め用意した自動音声で一次対応をする仕組み

コンタクトセンターの最終的な目標は、簡単な問い合わせはオペレーターを通さなくても自己解決することです。一方、人間は対応が難しい問い合わせや相談などに専念することで、お客様の満足度を向上することも求められます。

これらの実現へのハードルとして、大量の商品数かつ商品が入れ替わるという問題があります。FAQサイトやチャットボットでは、個別商品に関するお問い合わせに対応できず、結果的に有人対応(有人チャットや電話対応)になってしまいます。また、有人対応の際にも、網羅的なナレッジの作成や改善に膨大な時間がかかるなどの問題があります。これらの課題を解決するために、あらゆる接客チャネルでナレッジを活用できる仕組みを構築していきます。具体的には、FAQ・チャット・メール・電話対応する各チームで保有するナレッジを統合することで、生成AIが回答を引き出しやすい環境を作り、ナレッジ作成・改善業務の効率化や、オペレーターの応対精度の向上の実現に向けた取り組みを開始しています。

※2 ナレッジ:QA(お客様からの質問と回答)や顧客対応に必要な社内ルールと回答例・テンプレート

ニトリの次世代コンタクトセンター構想のコンセプトは、初回の問い合わせは人が対応し、2回目以降はシステムが対応するKCS(ナレッジセンターサービス)※3の考え方を応用しています。ナレッジベース※4を継続的に成長させることで、チャットボットやFAQサイト、メール、電話など全チャネルから適切なナレッジを引き出すことが可能になり、コンタクトセンター業務の生産性向上に大きく寄与します。

※3 KCS(ナレッジセンターサービス):ナレッジの運用で重要視されるナレッジマネジメントの国際標準フレームワーク

※4 ナレッジベース:お客様と顧客対応を行うスタッフがそれぞれに対して必要なナレッジを利用できる、情報の管理・共有システム

その中でギブリーが提供するシステムは、ナレッジを格納するデータベース(ナレッジベース)と、ナレッジを引き出すためのチャットボットやFAQサイトなどの各種アウトプットチャネルです。ナレッジベースには、従来のQA型の他、商品マスタや店舗情報を取得する際などに使用するテーブル型など、生成AIが高精度な回答を生成するための多様な形式に対応しています。また、ブラウザプラグイン型のAIウィジェットも保有しており、既に活用しているサービスの中で生成AIを活用してナレッジを引き出し、オペレーターの業務を効率化することが可能です。

現在は、ナレッジベースの構築に取り組み、全チャネルで同じナレッジを活用できる環境構築を進めています。これらのシステムの中で生成AIを活用することで、お客様がいつでも(営業時間外でも)自己解決できる仕組みを構築中です。また、問い合わせ削減により捻出した人員が、遠隔システムなどを活用した商品提案などの接客にも取組んでいます。

これらの取り組みにより今後、コンタクトセンターの生産性向上と顧客満足度の向上に大きく寄与することを目指しています。

登壇者(敬称略)



    奥田 栄司
    株式会社ギブリー
    取締役 / マーケティングDX部門長 兼 株式会社Resola代表取締役社長

    大手シンクタンクにて、10年に渡り大手企業のシステム企画から開発、運用までを経験。その後渡米し、日系企業向けITコンサルタントとして従事。帰国後は、株式会社gloopsの海外事業責任者として、ベトナム子会社の立上げ、韓国事業の推進を行う。2016年株式会社Resola創業、代表取締役社長に就任。AIや自然言語処理を使ったプロダクト、サービスの開発に従事。2018年株式会社ギブリー取締役に就任、マーケティングDX部門を管掌。




    矢ヶ部 大海
    日本マイクロソフト株式会社
    パートナー事業本部 クラウドパートナー開発本部 シニアビジネスディベロップメントマネージャー

    日本マイクロソフトで一貫してBtoBビジネスに携わり、営業、インサイドセールス、マーケティング、スタートアップとの事業開発などを経験。現在パートナー協業部門において、ISV・SaaS企業を対象に Microsoft Azure や Azure AI の技術を活用した新たな事業・サービス開発での協業に取り組む。




    清水 聡
    株式会社ニトリ
    営業企画室 O2O推進シニアリーダー

    2007年中途入社、店舗、業務システム室、貿易改革室などを経て、営業企画室O2O推進へ。セルフ化の為の購入履歴統合やネット限定品を店舗で購入できる仕組みの構築など、ネットとリアル店舗の良さの融合に取り組む。2023年11月より、コンタクトセンターリプレイスに取組んでいる。




    竹内 匠
    株式会社ニトリ
    札幌コンタクトセンター SV


    吉田 将輝
    株式会社ギブリー
    執行役員CMO / マーケティングDX部門COO

    老舗リサーチ会社でマーケティングリサーチに従事し、 消費財メーカーの商品開発やブランド戦略に携わる。その後マーケティングリサーチの OEM事業を行う 株式会社アレンジベースを創業、 代表取締役COOに就任。2016年よりギブリー執行役員に就任し、 マーケティングと経営企画を管掌。現在はマーケティング DX事業「DECA」のCOOを兼任する。




    桑澤 雅幸
    株式会社ギブリー
    マーケティングDX部門 カスタマーサクセス統括責任者 兼 プロダクト推進室 マネージャー

    ERPベンダーでマーケティング部門・経営企画の 立上げ、社内システム管理責任者を担当した後、 2019年ギブリーに入社。「DECA」全体のカスタマーサクセス統括を管掌し、現在は「DECA Cloud」のプロダクト推進を兼任する。データマーケティング領域における幅広い 業務経験を活かし、現状分析・課題抽出から全体構想・戦略・施策提案を得意としている。

株式会社ギブリーについて


ギブリーは「すべての人が物心豊かな社会を実現する」をビジョンに掲げ、HRTech/MarketingDX/Operation DXの3事業を柱に、「世界で必要とされる、本質価値を生むテクノロジー企業体」として、”世界標準”のサービスを生み出し続け、日本の再生に寄与します。

会社概要

社名:株式会社ギブリー
所在地:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル8階
代表者:井手 高志
設立:2009年4月28日
資本金:10,000,000円
URL:https://givery.co.jp